3Dスキャンソルーション

Artec 3D社のウクライナへの支援内容

Artec Leoを使用した特性防音パネルでコンサートホールを改装

著 Rongjian Zhu

課題:寧波(二ンポー)青年会館の目的に不向きな布張りの音響パネルを、特注の強化されたアルミニウム製の代替品に迅速に交換すること。

ソリューション:Artec Leo、Artec Studio、Geomagic Design X

結果:Artec Leoを使用したことで、エンジニアはわずか4時間でホールに既存していたパネルを非常に詳細にキャプチャすることができました。これらのスキャンによってパラメトリックモデルが生成され、これは音のエコーを防止する機能をアップグレードさせるデザインに理想的な基盤となりました。

Artec 3Dを選ぶべき理由ワイヤレス仕様でターゲットが不要なArtec Leoは、ただ「狙いを定めて撮影する」のと同じくらい簡単に被写体がキャプチャできるようになりました。3500万ポイント/秒のスキャン速度と内蔵されたスクリーンにより、完全かつ高速なデータ収集が可能になりました。Artec Studioはこのデータ処理を簡素化し、ワンクリックでDesign Xにエクスポートできるようになりました。

Ningbo Concert Hall

Artec Leoを使用して音響パネルのサーフェスをキャプチャするエンジニア

その名前が示すように、コンサートホールというのは人々が集まって生演奏を楽める場所です。それらの多くは、精巧な建築とユニークなスタイルを特徴としており、そのホール自体が芸術作品となっています。また、それらはそれぞれが位置する都市に深く根を下ろし、音楽を通して文化の空間を育み、重要な文化的ランドマークとなる傾向があります。

コンサートホールに行ったことがある人は、そのホールの壁が普通の建物の壁とは全く違う造りになっていることに気がついた人もいるかもしれません。コンサートホールの内部は表面が凹凸になっていることが多く、蜂の巣のような穴が密集しています。

このような形になっているのは、実は数々の厳しい音響基準を満たすためです。その中でも、エコーの干渉なしに均一な音場分布を実現することが最も重要です。これを念頭に置いて、コンサートホールの凹凸のある壁は、室内の音の反射と吸収を調整するために使用される特殊な装飾装置である音響パネルで覆われています。

各パネルは音を吸収するために密集した穴を持っています。これらの小さな穴は音波の反射を減少させ、凹凸があり不均一なパネルの表面は散乱効果を持ち、音波を交差させ消散します。こうした干渉により、音波は反響に必要なエネルギーレベルに到達できなくなります。

反響の干渉を確実に制御することで、音響パネルは聴衆に向けてきちんと改善された音響を提供します。しかし、現在ではホールや劇場等のいたるところでそれらは使用されていますが、その非標準の寸法と広範囲にわたるカバレッジにより、それらの正確な測定を取得したり、メンテナンス用の既製のスペアを見つけるのは非常に困難です。

寧波青年会館の改装

寧波青年会館に最近新しいコンサートホールが完成しました。しかしこの施設の完成後、施設管理者は壁の建設に改善の余地があるとして懸念を表明したのでした。

Ningbo Concert Hall

改装前のコンサートホール(改装用に赤でマークされている壁)

ホールの音響パネルの表面と壁の間の部分は、当初は半透明の布で覆われていました。各パネルはプラスチックで裏打ちされており、観客を座席に誘導するための装飾的なストリップライトが取り付けられていました。しかし、その布の生地は全体的なデザイン要件を満たしていないことが判明したのです。

また、この半透明の布はメンテナンスが難しく、ストリップライトは蚊やハエなどの昆虫を引き寄せやすいことが判明しました。そのため、十分に検討した結果、この外装材をLED照明を備えたアルミニウム製の代替品に交換することになりました。

Artec Leoでパネルのサイズを決定

コンサートホールの壁を測定する際、改修工事に携わったエンジニアたちはある問題に直面しました。計測した総距離は100メートルを超え、各部には凹凸があって不規則な形状をしており、従来の方法で正確に計測することはほぼ不可能だったのです。

Ningbo Concert Hall

改装前は、コンサートホールの壁の間に半透明の布張りとプラスチックの外装が使用されていました(写真)。

これに対処するため、寧波青年会館は市場をリードする寸法測定とリバースエンジニアリングに向けたソリューションを導入することを決定しました。その後、すぐに彼らはArtec 3Dのゴールド認定パートナーであるNingbo FLD-TECH Co., Ltdに連絡を取りました。 すると、この会社の経験豊富なエンジニアチームはArtec Leoの3Dスキャナを購入するよう推奨してきました。

0.1mmの精度で毎秒最大3500万ポイントのデータを取得できるArtec Leoは、驚異的に正確な3D モデルを高速で提供します。そのワイヤレス仕様とHDタッチスクリーンによってリアルタイムのフィードバックが提供され、ワンクリックでスキャンが開始できる機能により、スマートフォンのように被写体にスキャナを向け、そのままキャプチャができます。

現場に足場が組まれた後、Leoはわずか4時間でホール全体の音響パネルを設置することができました。このデバイスの内蔵ディスプレイはその達成に向けて重要な役割を果たし、エンジニアが移動中にデータの欠陥をチェックできるようにしました。また、そのオールインワンの設計は、作業の際に煩わしくなるケーブルも不要にしました。

「3Dスキャンの参考として壁に青いテープを貼りました」とNingbo FLD-TECHの社長、Guodong Xiao氏は言います。「Artec Leoの広い視野角と組み合わせたおかげで、スキャンプロセス全体を通じてトラッキングが非常に安定していました。最終的な3Dデータのステッチングも素晴らしかったです」

3Dスキャンからカスタマイズ可能なCADへ変換

Leoは100GB以上の生データをキャプチャしたのにもかかわらず、 Artec Studioはこれをきちんと位置合わせさせてから完全に3Dメッシュ化させる作業を迅速に実行しました。

業界をリードするリバースエンジニアリング用ソフトウェアであるGeomagic Design Xに、非常に詳細な結果を簡単にインポートできることも証明されています。Ningbo FLD-TECHのエンジニアは、Artec Studioからデータをワンクリックでインポートさせた際に、そのスキャンデータをソリッドで編集可能なCADモデルに変換するために必要なツールはそこにすべて揃っていると気が付きました。

Ningbo Concert Hall

Ningbo FLD-TECHのエンジニアがGeomagic Design Xで仕上げたパラメトリックモデル

このパラメトリック設計は、カスタム仕様のアルミニウム製パネルを作成する際に求められる2D図面の完璧な基盤として機能しました。彼らのこのリバースエンジニアリングプロジェクトの実行可能性を確立するために、まずFLD-TECHチームは始めにその2D図面をレーザー切断機にインポートしました。

そこから彼らは木材からサンプルパネルを作り、そのテストのためにパネルをプロジェクトの現場に持ち込みました。最終的に、3Dスキャンとリバースエンジニアリングのコンビネーションは、顧客の要件を正確に満たし、完璧にフィットしたパネルサーフェスを生み出すという強力な結果が得られることが証明されたのでした。

高級インテリアの3Dスキャン

部屋の装飾から建物全体のリフォームを含めたインテリアデザインは、現在世界中のホームオーナーの間で非常に人気が高まりつつあります。それと同時に、そういったインテリアをデジタル化するために3Dスキャンがますます利用されるようになってきたので、意欲的なインテリアデザイナー達は自らのアイデアを現実世界で実現できるようになりました。

もちろん結果はデザイナーの技量に依りますが、高度なテクノロジーが強力なアイデアを視覚化させるツールになりつつあることは間違いありません。Xiao氏にとって、Leoの強力なパフォーマンスとワイヤレスの使い勝手のバランスは、こういった目的に最適であり、インテリアデザインの分野には明るい未来が待っていると考えています。

Ningbo Concert Hall

カスタム仕様のアルミ製パネルを使用した新しいコンサートホール

「Leoは広い屋内エリアから効率良くデータを収集する際に、精度と速度のバランスがとれる能力が特徴で、室内装飾の幅広い用途に使用できます」とXiao氏は言います。「私達はLeoをとあるヴィラの階段設計にも使用したことがあるんですよ。本当にLeoは最高です!」

インテリアデザイン用の3Dスキャンについてもっと詳しい情報をお求めの方は、 部屋を3Dスキャンする方法の完全なガイドをこちらからどうぞ

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