3Dスキャンソルーション

Artec 3D社のウクライナへの支援内容

Artec Leo、鹿の角を本物そっくりの3Dで保存した際に大活躍

課題:一対の鹿の角を保存用に3Dスキャンすることで、オンラインやVR/ARでそれらを使用することや、縮小またはフルサイズバージョンの3Dプリントの可能性を開きます。

ソリューション:Artec Leo、Artec Studio

結果:わずか2分で鹿の角をスキャン用に準備してから、Artec Leoはより高性能なHDモードを利用し、5分でその角をキャプチャできました。Leoで取得したそのスキャンを3Dモデルに処理する作業には、開始から終了まで合計56分かかりました。その後、モデルはSketchfab用にはOBJ形式で、3Dプリント用には STL形式でエクスポートされました。

Artec 3Dを選ぶ理由Artec Leoを使用したおかげで、配線やノートPCが邪魔になることなく、さまざまな角度から鹿の角をすばやく簡単にスキャンできました。実物そっくりのテクスチャを取得できるLeoのカメラは、鹿の角の実際の色を簡単にキャプチャし、3Dモデリングや色の調整の編集作業を行わなくても最終的な3Dモデルを現実的なものにすることができました。

Deer antlers

Artec 3Dのゴールド認定技術者であるデレック・ポールソン(Derek Paulson)氏が、Artec Leoで一対の鹿の角をスキャンしている様子。画像提供:My Engineering Ltd.

狩猟は多くの人々に物議を醸していますが、北米では狩猟はシカの個体数管理のための一般的な対策として知られています。オジロジカは食べ物を求めて郊外や農場に迷い込み、トウモロコシや豆、果物など、彼らが食することのできるあらゆる食物を探します。オジロジカは作物を荒らすだけでなく、ダニ媒介性疾患を媒介します。そしてこの動物の生息範囲内で蔓延しているもう一つの大きな問題は、死者数が年々増加しているシカと車両の衝突事故です。

カナダの消防士であるローガン・ジョンソン(Logan Johnson)氏にとって、長い間狩猟は彼の生活の一部となっていましたが、最近起こったある特別な出会いが思いのほか彼のそんな日常を変え、何千年も続いている弓狩りの習慣と最新の3D技術を融合させたのでした。

自分の矢で命を落とした強靭な鹿に敬意を表すため、この状況の弓矢を使用する狩人ならば誰でも行うであろうことをジョンソン氏は実行しました。それは、剥製師を探して、死んだ鹿の角を保存し、マウントすることでした。しかし、過去の経験により、彼はまだこの一歩を踏み出すことに対して慎重になっていました。

その数年前、ジョンソンさんは別の鹿を仕留めた後、その鹿を剥製師に送ったところ、悲惨な結果となってしまったのです。剥製師はどういうわけかその鹿を「紛失」し、その後すぐに廃業してしまいました。

ジョンソン氏は、このようなリスクは二度と負えないと考え、ネットでさまざまな可能性を調べた後、その鹿の角をデジタルでアーカイブするために3Dスキャンを使用する方法に注目したのでした。

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鹿の角の最終的な3Dモデルを表示するスクリーンショット。画像提供:My Engineering Ltd.

3Dのデジタル保存について学べば学ぶほど、寸法的に正確な鹿の角のカラー3Dレプリカを作成することは、剥製作業のためだけでなく、角を保存する上でも最良の選択肢であることを彼は理解できるようになりました。というのも、これからその角は、火災や盗難、洪水、損害などに直面する可能性があるからです。

ジョンソン氏は、カナダのアルバータ州にある地元の3Dスキャン専門家であり、Artec 3Dのゴールド認定パートナーでもあるMy Engineering Ltd.と連絡を取りました。彼らはジョンソン氏が望むスキャンのために彼らのオフィスを訪問してもらうよう手配しました。

鹿の角の準備にかかった時間はわずか2分で、その後のArtec Leoを用いたスキャンには5分かかりました。 このスキャナは高いFPS(フレームレート)でサブミリメートル級の精度を提供しながらカラー3Dスキャンを実現する、プロ仕様のハンドヘルド3Dスキャナで、スキャン対象物の周囲を操作する際に邪魔になる配線がありません。

Leoの背面にあるタッチスクリーンディスプレイを使用すると、スキャン結果をリアルタイムでチェックすることができ、スキャン対象のオブジェクトが100%カバーされていることが確認できます。

スキャン後、データはArtec Studioのソフトウェアに転送され、その後の56分の間にそのデータは処理され、3Dプリントなどのアプリケーションに対応できるカラー3Dモデルに変換されました。

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Artec Studioのスクリーンショット: Leoスキャンから作成された鹿の角と頭蓋骨の3Dモデル。画像提供:My Engineering Ltd.

Sketchfabなどへのアップロード用にOBJモデルがエクスポートされ、 PLA(ポリ乳酸)フィラメントが最適な3Dプリント用にはSTLモデルが使用されました。

ジョンソン氏はそのスキャンプロセスについて、次のようにコメントしました。「大抵の3Dスキャナにとって必要事項となる、角にスプレーやステッカーを使用することは私は受け入れられないので、それを回避できることは重要な点でした。しかしLeoは、スプレーもステッカーもなくても全く問題ありませんでした。しかも、スキャン作業はとても速く完了しました。今、こうして画面上に表示されている角の3Dモデルを見ると、非常に細かい部分まで再現されていることにとても驚かされます」

3Dスキャンの導入を決定する前に、ジョンソン氏は角を扱う別のオプションも検討していました。それは、角を手作業で成形し、本物そっくりのプラスチック製の複製を作成することでした。しかし、そのようなプロセスには結構な費用がかかるだけでなく(ジョンソン氏によるとその見積額は$2,400で、Leoのスキャンでは$330だったそうです)、プラスチックのレプリカが破壊されたり盗まれたりするリスクもあります。

My Engineering Ltd.がジョンソン氏に提案した最初の用途の1つは、鹿の角と頭蓋骨のミニチュアコピーを3Dプリントすることでした。彼はすぐにそのアイデアに飛びついたそうです。そしてその結果は、すべてを物語っています。

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机に乗るサイズに3Dプリントされた、鹿の角と頭蓋骨の縮小モデル。画像提供:My Engineering Ltd.

My Engineering Ltd.の社長であるティム・ゲイダ(Tim Gaida)博士は、「机に乗るサイズの鹿の角の縮小モデルを皮切りに、これからもっと沢山の他の可能性が角の3Dモデルにはあります。例えばオンラインでのVRやAR用にそれを表示することや、角を品定めするために3Dスキャンを使用するアイディアなどです」と言います。

さらに同氏は、「角を品定めする伝統的な方法として、狩人は角の大きさやプロポーションを定量化するために巻尺を使用していました。しかし、3Dスキャンを使用すると、角のてっぺんから下までの正確な体積寸法を一瞬で取得することができるため、巻尺よりさらに正確になります。角のとがった部分、てっぺん、そして幅すべてです」

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鹿の角と頭蓋骨の3DモデルをArtec StudioのX線モードで表示している様子。画像提供:My Engineering Ltd.

また、ゲイダ氏は将来に鹿の角を再びスキャンして、その結果得られた3Dモデルを元の3Dモデルと比較して、その間に生じた損傷などの変化を確認するのは簡単なことだと言います。

「これが、Artec LeoのスキャナとArtec Studioのソフトウェアが博物館や個人コレクションを手掛ける際に理想的になる理由です。絵画や彫刻などのオブジェクトをスキャンすることで、ユーザーはその時点の状態を把握することができ、その後も定期的にスキャンを繰り返すことで、それらのオブジェクトの状態の経過を観察することができます。大抵、ひとつのオブジェクトのスキャンはたった1~2分で完了します」

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プリンターから取り出したばかりの、机に飾れるサイズに縮小された鹿の角と頭蓋骨のモデル。画像提供:My Engineering Ltd.

ゲイダ氏はさらに続けます。「スキャン対象の物体に触れたり、スプレーやマーカーを使用しなくてもすむため、スキャンは100%安全です。また、スキャンを取得したら、オンラインでの展示やVR、ARにも簡単に使用できますし、3Dプリントでさまざまなサイズの本物そっくりなレプリカを作成する、アディティブ・マニファクチャリングにも適用が可能になります」

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