Artec 3DがArtec Studio 18を発表、より高速かつAI搭載の、計測向けに認証済みトゥルーカラー3Dスキャンソフトウェア
プロフェッショナル向け3Dスキャナ、及びソフトウェアの開発・製作のグローバルリーダーであるArtec Europe S.à.r.l(本社:ルクセンブルク セナンゲルベル、CEO:アルチョム・ユーヒン、以下Artec 3D)の日本法人Artec 3D合同会社(本社:東京港区、以下Artec 3D Japan)は本日、Artec Studio 18(AS18)の発売を発表しました。
本ソフトウェアは新しいバージョンの発表ごとに、Artec 3Dスキャナの性能、及びキャプチャデータの品質向上に貢献してきました。Artec Studio 18は、様々な機種のArtec 3Dスキャナによる解像度の異なるデータセットのシームレスな統合、過去最高の速さでのスキャンデータの処理、AIによる驚くほどリアルなテクスチャの3Dモデルの製作を可能とする独自の機能を初めて搭載しています。
Artec Studio 18は3Dスキャンのワークフローを効率化するため、様々なツールを新たに導入しています。リバースエンジニアリングを行う際にも、設計意図を反映するための偏差の除去、パーツの修正がこれまでよりも格段に簡単になりました。また、新しいアルゴリズムは品質検査を加速化し、即時に欠陥を識別、業界許容値に納まるモデルの製作を可能にします。
発売に先駆け、このようなワークフローにおけるArtec Studio 18の精度は、ドイツで計測基準を扱う主要な機関であるPTBにより認定されており、3D計測における性能が裏付けされています。サブスクリプションユーザーは誰でもこの新しいバージョンにアクセスでき、30日間無料の体験バージョンで新機能をお試しいただけます。
Artec 3Dの最高経営責任者 アルチョム・ユーヒン(Artyom Yukhin)は次のように述べています。「Artec Studio 18では、ボタン一つで異なるスキャナからのデータを組み合わせることができるようになり、新たな可能性を解き放ちます。ハンドヘルド式Artec Leoと長距離用のArtec Ray IIがあれば、工場の作業場のような非常に広い領域の詳細なデジタルツインを製作することも可能となります。こうした革新的技術に加え、スキャンの速度と品質の向上のためにArtec 3Dが活用しているAIの発展により、我が社は3D分野における先駆的企業であり続けることができるのです」
フィーチャの豊富な独自のモデルの製作を可能にする、業界初の多重解像度スキャンデータ統合機能
Artec Studioのスマートメッシュ機能(Smart Fusion)の活用により、種類に関わらずArtec 3Dの機器を使用してキャプチャされた、異なる解像度の3Dスキャンデータを統合することが可能です。データを一度に位置合わせする前に、Artec Ray IIにより広大な領域や大きなオブジェクトをデジタル化し、 Artec Leoにより細部のデータを取得することで、スキャンデータ全体の取得も最速で行うことができます。メッシュ化完了後は、ワンステップメッシュ最適化(Single-step Mesh Optimization)を行い、編集を効率化します。
業界では珍しいスマートメッシュ機能は、多重解像度スキャンデータの作成を実現します。Artec 3Dのハンドヘルド式機器によりキャプチャされたデータは、長距離用Artec Ray IIによりデジタル化された領域よりも高解像度であり、完成モデルはその前例のない細部の精度により、業界の枠を超えて可能性を拡げることが期待されます。
Artec Studioの最新バージョンは、従来よりも2倍速いグローバル位置合わせ機能(2x faster Global Registration)を搭載しているため、キャプチャに利用された機器が一台でも複数でも、スキャンデータはクリック一つで敏速に処理されます。Artec LeoとArtec Evaのユーザーは、従来の4倍の速さを持つ高効率・AI駆動のHDモード(4x faster HD Mode)の利点も享受いただけます。
鮮明で、驚くほどリアルなテクスチャのための高度なAI
Artec 3Dは長らく、カラーのデータキャプチャにおける先導的存在でありましたが、Artec Studio 18はそのAI強化テクスチャ改善機能(AI-boosted Texture Enhancement)により、Artec 3Dの先駆性をさらに発展させます。ニューラルネットワークによる解読システム(neural network decoding)を軸とした新しい機能は、改善されたカラーコントラストによって鮮明度が大幅に向上したモデルの作成が可能となります。また、アップグレードをすることで、テクスチャの解像度、及び品質全般も飛躍的に向上できます。
改良された偏差、設計、許容度確認機能により品質を保証
メッシュとCADの最大偏差も設定できるようになった、Artec Studioの改良された3D比較マップ(Enhanced 3D Compare Map)を用いて品質保証(Quality Assurance、QA)を行うことで、誤差の確認も更に迅速に行えます。Artec Studio 18で初めて導入された厚さマッピング(Thickness Mapping)や許容度確認モード(Tolerance Check Mode)も、モデルを業界基準に確実に適合させるために役立ちます。
3D計測ソリューションとしてのArtec Studioの有効性は、PTBの認定により実証されています。そのため、ユーザーは業務に最適なツールを利用しているという安心感を持ちながら、産業用3Dスキャンを行なっていただけます。計測に対するPTBの厳しい審査を通過したという事実は、Artec 3Dのソフトウェアは品質保証において、常にこの分野でトップクラスであることを証明しています。
迅速な欠陥解析及びメッシュ編集ツールにより、リバースエンジニアリングの質を向上
Artec Studio 18は、リバースエンジニアリングに必要なすべての機能を搭載しています。ユーザーが設計主旨を反映させるためにパーツを交換する際には、フェイスの移動とオフセット(Move & Offset Faces)機能により、個別に変更を加えることができます。オブジェクトに自由形状のエッジがある場合には、新機能のサーフェス厚変更ツール(Surface Thickening Tools)によりメッシュを補強できるほか、新しいクイックパネル(Quick Panel)上で即時偏差分析(Instant Deviation Analysis) をクリック一つで、実行することが可能です。
その他のArtec Studio 18の改良点には、以下が挙げられます。
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刷新されたUI:Artec Studioの新しいホームスクリーンは、複数のプロジェクトを円滑に行うための究極のプロジェクトマネジメントツールです。
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シームレスなクラウド同期:Artec Cloudの更に本格的な統合により、プロジェクトのナビゲートや共有もより簡単になります。プロジェクト同士のリンクの際もクリック一つでの同期が可能で、変更内容が確実にバックアップファイルに反映され、共同作業も円滑に行うことができます。
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作業状況と連動するクイックパネル:新しいクイックパネルは、ワークスペースで実行中の作業に直接関連する、便利なツールを表示します。
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サポート可能なフォーマットの追加:Artec Studio 18はピクサーの.usdファイル形式とも互換性があり、メタバースに利用できる詳細な3Dモデルの作成に更に適したソフトウェアです。
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スキャンデータのデシメーション:Artec Studio 18で初めて搭載されるスキャンデータのデシメーション(Scan Decimation)機能は、必要とするコンピューターの演算能力がより少なく、進行のより速いワークフローにおいて、メッシュの品質に影響を与えずに不必要なフレームを削除することを可能にします。