Artec Evaはグアテマラで低コストの3Dプリントプロテーゼを作成するのに役立ちます
グアテマラへの武力侵攻で、Veronicaは右腕の下部を失いました。6週間の入院の後、彼女の友人はグアテマラのサンベニートにあるShalom病院にある LifeNabled義肢クリニックに彼女を紹介しました。そこではどうやったら彼女を助けることができるか、何を期待しているのか、どのくらいの時間がかかるか、そして彼女の人生がどのように良いように変わろうとしているかについて彼女との話し合いが行われたのです。
Shalom病院
彼らはすぐに取り掛かりました。最初に、腕の残りの部分のガラス繊維製キャストを作り、その後、ハンディ型カラー3Dスキャナ Artec Eva(以下の詳細に説明するように、設計プロセスと一緒に)でキャストの内部をスキャンし、その後、Veronicaの新しい3Dアームがプリントアウトされ、装着の準備は整いました。クリニックに到着してほんの数時間後、彼女は新しい腕を装着し、彼女の人生はそのあと全く変わったものになったのです。
今、Veronicaは地元の大学で神学を学んでいます。LifeNabledで新しい腕を受け取った後、彼女はいろいろな料理の実習を行う特別なクラスで6ヶ月も過ごしたのです。
仕事にでかけるVeronica
Shalom病院はTim とDoris Spurrierという2人のアメリカの宣教師によって始められました。2人は2人の子供と車に飛び乗って、オハイオから南へ、車で5日間旅をしました。彼らがグアテマラに到着したとき、家族がついに「家」を見つけたと感じ、それ以来、彼らはずっとそこにいることにしました。
最終的に彼らは小さな病院で人口装具のクリニックを開くことに決め、2006年に認定義肢装具士で矯正歯科医のBrent Wrightに訪問を依頼しました。到着した彼はすぐに、このグアテマラ初であり唯一のクリニックを組織しました。
Brent Wright 制作物を手に
Writeとボランティアチームにとって、もちろんクリニックに訪れる患者たちにとっても言うまでもなく、3Dスキャンとプリントの技術はすべてを変える存在でした。腕の3Dプリントではとりわけコストの差が顕著です。人工腕を作るための材料の伝統的なコストは、$800から$ 1200 の範囲でしたが、彼らが2016年に始めた3DプリントではWrightによれば「約$4の材料費で腕の装具作ることができる」のだと言います。
彼の夢の1つは、世界中で、とりわけ人口装具のスペシャリストが国全体で1人か2人しかいないような貧困地域においても、必要な全ての人の手に人工装具を届けることです。Wrightは、「18ヶ月前に初めて、3Dプリント素材が効果的で耐久性のあるプロテーゼに使用できるようになりました」と語り、プロテーゼのまさに革命の時期が来ていると言っています。
より良い方法を探した結果、彼は最終的に3D スキャン、そしてArtec 3Dのプロフェッショナル・ハンディ型スキャナArtec Evaにたどり着きました。医療からリバースエンジニアリングに至るまで様々な産業で使われ、高解像度のカラー3DでオブジェクトをキャプチャするEvaは、Wrightにとって、そしてクリニックにとってもまさに画期的なものでした。
しかしだからといって、すぐにそのまま利用したわけではありません。Wrightは、とりわけ難しいプロテーゼの製作において、最高レベルの精度を達成できると信じたのです。
「3D スキャニングは形状のキャプチャには適していますが、負荷がかかった元での形状やその下の組織構造がどうなっているのかまでキャプチャすることは必ずしも得意ではないと思っていました。それゆえに、私はとにかく良い型(キャスト)を作ることが大事だと考えていました。そして、キャストの外側と内側をスキャンすることで、その下の組織やテンションがかかった状態での患者の四肢の実際の体積を測る方法がわかったのです。」
無接触3Dスキャンを参照すると、Wrightは「患者に直接スキャンを行うときはいつでも、その根底にある解剖学的部位がどうなのか、そして、負荷がかかった状態での四肢の本当の体積を推測しています。プロテーゼに関しては、推測で行うようなことは支度はありません。」
「スキャナのEvaは素晴らしいですが、それよりすごいのは、ソフトウェアのArtec Studioです。キャストを外した後、2つに割りEvaですぐにこの両方をスキャンします。そしてArtec Studioでまたこのふたつを一つにした、高精度な3Dモデルに簡単に戻せるのです。このように、高精度3Dスキャンが、負荷のもと患者の四肢のキャストを製作した正確さと統合され、双方の最高の利点を利用することができました。それゆえ最終的な3D モデルは、解剖学的にも完全に正しく、非接触スキャンでは不可能な全方向に適切な体積のモデルができあがるのです。」
Shalom病院、新しい人工装具の試着風景
「Artec Eva は、私たちが知るなによりもキャストの内側をうまくスキャンしています。これを完璧に行うことができる唯一の3D スキャナだと思います」と、Wrightは言っています。
製造プロセスの「3D スキャン」バージョンのこの地点に到達するために、時間も人でもかかる従来の方法では、全体のシーケンスに患者の患部のガラス繊維のキャストを作り、適切にくるみ(骨の突起、膝蓋骨、圧力ポイントなどを示すために) マーキング、乾燥するのを3〜4 分待って切断し、スキャンの準備をすることが含まれることになります。
スキャンはArtec Studioでで直接行われ、スキャン対象のオブジェクトがリアルタイムで画面に表示されるので、キャスト全体を上から下にスキャンしたことが数秒ですぐにわかります。そこから、スキャンを1つのモデルに配置し、CAD/CAM ソフトウェアなどの他のアプリケーションにエクスポートするだけです。せて配置し、CAD/CAM ソフトウェアなどの他のアプリケーションにエクスポートします。
「OBJ ファイルとしてモデルを Geomagic Freeformにエクスポートすれば、驚くことに私が行う必要のある類の設計と変更作業ができてしまいます。触覚デバイスを利用しているので、私の手のまさに下に、オブジェクトのすべての曲線と起伏を感じることができます。これは本当に素晴らしいですよ」とWrightは語っています。
彼はまた、関節と各デバイスの多くのカスタム部分を設計するために、Fusion 360 を使用しています。プロテーゼ製作の従来の方法はこれからも使われるでしょうが、LifeNabledでは3Dスキャンが彼らの働き方と、現在の速度と柔軟性の両方を永遠に変える扉を開いてくれました。
「このようにプロテーゼを作る素晴らしいところは、Evaとその後のデジタル処理で、私が文字通りどこででもその後の作業を行うことができるということです。スキャンが完了し、それが高速に行われれば、私も私のラップトップでテレビの前に座って、すぐそこに設計作業の残りを行うことができます」と、Wrightは言っています。
新しい人工装具の設計中
「クリニックでこのことが意味するのは、患者が来てからわずか1時間で歩くことができるということです。」
しかし、全てが思い通りというわけにはいきません。プロテーゼを作るのには熟練した技術者が必要で、容易に見えるかもしれないものの実際には厳しい職業なのです。厳しいフィールドワークもある1年間の実践トレーニングは、義肢装具士になる必要な最低限の部分です。「実践がこの仕事では必要なんです。教科書以上に大切なことがたくさんあるのです」とライトは述べています。
下腕の補綴物のフィッティング
Wrightと彼の妻 Meredithは、年に2回グアテマラに旅行し、スーツケースと機内持ち込みバッグに収まることができるものを持っていきます。 Artec Eva、2つの3D プリンター (Filament Innovations )高出力のAlienwareのラップトップ、脚部のプロテーゼで使うアルミパイロン、3D プリンター用のプラスチックフィラメント (CF PETG、PETG、ポリカーボネートなど)、人工膝、ナイアガラ義足、鋳造用ファイバーグラスなどです。
何年にも渡り、ふたりはグアテマラの手や脚を失った人に400以上の人工装具を提供してきました。彼らの患者の多くは成長し、成人しています。かつて絶望を覚え、価値がない、恥ずかしいと感じ、時には侮蔑されることさえあった男女が、今日では積極的に教師や医師、ビジネスマン、労働者としてのキャリアを目指しています。
LifeNabled は将来的に、CE認定のプロテーゼを中心とした3Dプリントコースを提供するだけでなく、組織が世界中のあらゆる場所でそれを必要としている人たちに人口装具を提供できる、スキルと専門知識を学ぶことができるトレーニングプログラムを作ろうと計画しています。LifeNabledは、手や足を失った人が、収入や中心地からの距離に関係なく、手に入れやすい価格で人工装具を手にいれることができるよう、そのためのトレーニングとプロテーゼのコンポーネントを世界中で提供できるようにすることを最終的に目指しています。